第三編 海商
第一章 船舶及ヒ船舶所有者
本法ニ於テ船舶トハ①ヲ為ス目的ヲ以テ航海ノ用ニ供スルモノヲ謂フ
○2 本編ノ規定ハ②其他③ノミヲ以テ運転シ又ハ主トシテ③ヲ以テ運転スル舟ニハ之ヲ適用セス
第六百八十五条
船舶ノ①ニ記載シタル物ハ其従物ト推定ス
第六百八十六条
船舶所有者ハ特別法ノ定ムル所ニ従ヒ①ヲ為シ且②ヲ請受クルコトヲ要ス
○2 前項ノ規定ハ総噸数③噸未満ノ船舶ニハ之ヲ適用セス
第六百八十七条
船舶所有権ノ移転ハ其登記ヲ為シ且船舶国籍証書ニ之ヲ記載スルニ非サレハ之ヲ以テ①ニ対抗スルコトヲ得ス
第六百八十八条
航海中ニ在ル船舶ノ所有権ヲ譲渡シタル場合ニ於テ①ナキトキハ其航海ニ因リテ生スル損益ハ譲受人ニ帰スヘキモノトス
第六百八十九条
①及ヒ仮①ノ執行(仮差押ノ登記ヲ為ス方法ニ依ルモノヲ除ク)ハ発航ノ準備ヲ終ハリタル船舶ニ対シテハ之ヲ為スコトヲ得ス但其船舶カ発航ヲ為ス為メニ生シタル債務ニ付テハ此限ニ在ラス
第六百九十条
①ハ船長其他ノ船員ガ其職務ヲ行フニ当タリ故意又ハ②ニ因リテ他人ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ズ
船舶共有者ノ間ニ在リテハ船舶ノ利用ニ関スル事項ハ各共有者ノ①ニ従ヒ其②ヲ以テ之ヲ決ス
第六百九十四条
①ハ其持分ノ価格ニ応シ船舶ノ利用ニ関スル費用ヲ負担スルコトヲ要ス
第六百九十五条
①カ新ニ航海ヲ為シ又ハ船舶ノ大修繕ヲ為スヘキコトヲ決議シタルトキハ其決議ニ対シテ異議アル者ハ他ノ共有者ニ対シ相当代価ヲ以テ自己ノ持分ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
○2 前項ノ請求ヲ為サント欲スル者ハ決議ノ日ヨリ②内ニ他ノ共有者又ハ船舶管理人ニ対シテ其通知ヲ発スルコトヲ要ス但此期間ハ決議ニ加ハラサリシ者ニ付テハ其決議ノ通知ヲ受ケタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第六百九十六条
船舶共有者ハ其①ニ応シ船舶ノ利用ニ付テ生シタル債務ヲ弁済スル責ニ任ス
第六百九十七条
損益ノ分配ハ毎航海ノ終ニ於テ①ノ持分ノ価格ニ応シテ之ヲ為ス
第六百九十八条
船舶共有者間ニ①アルトキト雖モ各共有者ハ他ノ共有者ノ承諾ヲ得スシテ其持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得但船舶管理人ハ此限ニ在ラス
第六百九十九条
船舶共有者ハ①ヲ選任スルコトヲ要ス
○2 船舶共有者ニ非サル者ヲ船舶管理人ト為スニハ②ノ同意アルコトヲ要ス ○3 船舶管理人ノ選任及ヒ其③ノ消滅ハ之ヲ登記スルコトヲ要ス
第七百条
①ハ左ニ掲ケタル行為ヲ除ク外船舶共有者ニ代ハリテ船舶ノ利用ニ関スル一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有ス
一 船舶ノ譲渡若クハ賃貸ヲ為シ又ハ之ヲ抵当ト為スコト ○2 船舶管理人ノ②ニ加ヘタル制限ハ之ヲ以テ善意ノ③ニ対抗スルコトヲ得ス
第七百一条
①ハ特ニ帳簿ヲ備ヘ之ニ船舶ノ利用ニ関スル②ヲ記載スルコトヲ要ス
○2 船舶管理人ハ毎航海ノ終ニ於テ遅滞ナク其航海ニ関スル③ヲ為シテ各船舶共有者ノ④ヲ求ムルコトヲ要ス
第七百二条
船舶共有者ノ持分ノ移転又ハ其国籍喪失ニ因リテ船舶カ日本ノ国籍ヲ喪失スヘキトキハ他ノ共有者ハ相当代価ヲ以テ其持分ヲ買取リ又ハ其競売ヲ①ニ請求スルコトヲ得
○2 社員ノ持分ノ移転ニ因リ会社ノ所有ニ属スル船舶カ日本ノ国籍ヲ喪失スヘキトキハ合名会社ニ在テハ他ノ社員、合資会社ニ在テハ他ノ無限責任社員ハ相当代価ヲ以テ其持分ヲ買取ルコトヲ得
第七百三条
船舶ノ①ハ之ヲ登記シタルトキハ爾後其船舶ニ付キ物権ヲ取得シタル者ニ対シテモ其効力ヲ生ス
第七百四条
船舶ノ賃借人カ商行為ヲ為ス目的ヲ以テ其船舶ヲ航海ノ用ニ供シタルトキハ其利用ニ関スル事項ニ付テハ第三者ニ対シテ①ト同一ノ権利義務ヲ有ス
○2 前項ノ場合ニ於テ船舶ノ利用ニ付キ生シタル②ハ船舶所有者ニ対シテモ其効力ヲ生ス但②者カ其利用ノ契約ニ反スルコトヲ知レルトキハ此限ニ在ラス
①船舶所有者②先取特権