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もくじ
教科の目標
小学校の特別の教科道徳の目標は,以下のとおりである。
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第1 目標」)
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる〖 ㋐ 〗を養うため,〖 ㋑ 〗についての理解を基に,〖 ㋒ 〗を見つめ,物事を〖 ㋓ 〗的・〖 ㋔ 〗的に考え,〖 ㋕ 〗についての考えを深める学習を通して,道徳的な〖 ㋖ 〗,〖 ㋗ 〗,〖 ㋘ 〗と態度を育てる。
〖 ㋐ 〗道徳性〖 ㋑ 〗道徳的諸価値〖 ㋒ 〗自己〖 ㋓ 〗多面〖 ㋔ 〗多角
〖 ㋕ 〗自己の生き方〖 ㋖ 〗判断力〖 ㋗ 〗心情〖 ㋘ 〗実践意欲
「道徳教育は,教育基本法及び① に定められた教育の根本精神に基づき,② を考え,③ な判断の下に行動し,④ した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる⑤ を養うことを目標とする」
🔵道徳性とは,人間としてよりよく生きようとする① であり,道徳教育は道徳性を構成する諸様相である② ,③ ,④ と⑤ を養うことを求めている。
② は,それぞれの場面において善悪を判断する能力である。つまり,人間として生きるために道徳的価値が大切なことを理解し,様々な状況下において人間としてどのように対処することが望まれるかを判断する力である。的確な② をもつことによって,それぞれの場面において機に応じた道徳的行為が可能になる。
③ は,道徳的価値の大切さを感じ取り,善を行うことを喜び,悪を憎む感情のことである。人間としてのよりよい生き方や善を志向する感情であるとも言える。それは,道徳的行為への⑥ として強く作用するものである。
④ と⑤ は,道徳的判断力や道徳的心情によって価値があるとされた行動をとろうとする傾向性を意味する。④ は,道徳的判断力や道徳的心情を基盤とし道徳的価値を実現しようとする意志の働きであり,⑦ は,それらに裏付けられた具体的な道徳的行為への身構えと言うことができる。
内容【四つの視点】
■四つの視点
「第2内容」は,道徳教育の目標を達成するために指導すべき内容項目を以下の四つの視点から,「第1学年及び第2学年」,「第3学年及び第4学年」,「第5学年及び第6学年」の学年段階に分けて示している。その視点から内容項目を分類整理し,内容の全体構成及び相互の関連性と発展性を明確にしている。
A 主として① に関すること
B 主として② との関わりに関すること
C 主として③ や社会との関わりに関すること
D 主として生命や自然,④ なものとの関わりに関すること
私たちは様々な関わりの中で生存し,その関わりにおいて様々な側面から道徳性を発現させ,身に付け,① を形成する。
「A 主として自分自身に関すること」は,自己の在り方を自分自身との関わりで捉え,望ましい② を図ることに関するものである。
「B 主として人との関わりに関すること」は,自己を人との関わりにおいて捉え,望ましい③ の構築を図ることに関するものである。
「C 主として集団や社会との関わりに関すること」は,自己を様々な社会集団や郷土,国家,④ との関わりにおいて捉え,④ と向き合うことが求められている我が国に生きる日本人としての⑤ に立ち,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な道徳性を養うことに関するものである。
「D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること」は,⑥ を生命や⑦ ,美しいもの,気高いもの,崇高なものとの関わりにおいて捉え,人間としての⑧ を深めることに関するものである。
学年別
A 主として自分自身に関すること
1. ① の判断,② ,自由と③
〔第1学年及び第2学年〕
よいことと悪いこととの区別をし,よいと思うことを進んで行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
正しいと判断したことは,自信をもって行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。
2. 正直,①
〔第1学年及び第2学年〕
うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活すること。
〔第3学年及び第4学年〕
過ちは素直に改め,正直に明るい心で生活すること。
〔第5学年及び第6学年〕
誠実に,明るい心で生活すること。
3. 節度,①
〔第1学年及び第2学年〕
健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。
〔第3学年及び第4学年〕
自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。
〔第5学年及び第6学年〕
安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。
4. ①
〔第1学年及び第2学年〕
自分の特徴に気付くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。
〔第5学年及び第6学年〕
自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。
5. 希望と① ,② と強い意志
〔第1学年及び第2学年〕
自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
自分でやろうと決めた目標に向かって,強い意志をもち,粘り強くやり抜くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
より高い目標を立て,希望と勇気をもち,困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
6. ① の探究
〔第5学年及び第6学年〕
真理を大切にし,物事を探究しようとする心をもつこと。
B 主として人との関わりに関すること
7. 親切,①
〔第1学年及び第2学年〕
身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
相手のことを思いやり,進んで親切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。
8. ①
〔第1学年及び第2学年〕
家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
〔第3学年及び第4学年〕
家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。
9. ①
〔第1学年及び第2学年〕
気持ちのよい挨拶,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
礼儀の大切さを知り,誰に対しても真心をもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること。
10. 友情,①
〔第1学年及び第2学年〕
友達と仲よくし,助け合うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
友達と互いに理解し,信頼し,助け合うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
友達と互いに信頼し,学び合って友情を深め,異性についても理解しながら,人間関係を築いていくこと。
11. 相互① ,②
〔第3学年及び第4学年〕
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,相手のことを理解し,自分と異なる意見も大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
12. ① の尊重
〔第1学年及び第2学年〕
約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。
〔第5学年及び第6学年〕
法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。
13. ① ,公平,社会②
〔第1学年及び第2学年〕
自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。
14. 勤労,①
〔第1学年及び第2学年〕
働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。
15. ① ,家庭生活の充実
〔第1学年及び第2学年〕
父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。
〔第3学年及び第4学年〕
父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。
16. よりよい学校生活,① の充実
〔第1学年及び第2学年〕
先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。
〔第3学年及び第4学年〕
先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。
17. 伝統と文化の① ,国や② を愛する態度
〔第1学年及び第2学年〕
我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつこと。
18. 国際① ,国際②
〔第1学年及び第2学年〕
他国の人々や文化に親しむこと。
〔第3学年及び第4学年〕
他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
19. ① の尊さ
〔第1学年及び第2学年〕
生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。
20. 自然①
〔第1学年及び第2学年〕
身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。
21. 感動,①
〔第1学年及び第2学年〕
美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。
22. よりよく①
〔第5学年及び第6学年〕
よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し,人間として生きる喜びを感じること。
指導計画の作成と内容の取扱い
指導計画作成上の配慮事項
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の1)
1 ① においては,道徳教育の② に基づき,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら,道徳科の③ を作成するものとする。なお,作成に当たっては,第2に示す各④ の内容項目について,相当する各学年において全て取り上げることとする。その際,児童や学校の実態に応じ,2学年間を見通した⑤ な指導や内容項目間の関連を密にした指導,一つの内容項目を複数の時間で扱う指導を取り入れるなどの工夫を行うものとする。
道徳科の指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第1 目標」 再掲)
第1章総則の第1の2の (2) に示す道徳教育の① に基づき,よりよく生きるための基盤となる② を養うため,③ についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・④ に考え,⑤ についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,⑥ と態度を育てる。
指導の配慮事項
1 道徳教育推進教師を中心とした指導体制
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(1) 校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,① を中心とした指導体制を充実すること。
2 道徳科の特質を生かした計画的・発展的な指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(2) 道徳科が学校の① を通じて行う道徳教育の② としての役割を果たすことができるよう,計画的・③ な指導を行うこと。
特に,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を④ ことや,児童や学校の実態等を踏まえて指導をより一層⑤ こと,内容項目の相互の関連を捉え直したり⑥ させたりすることに留意すること。
3 児童が主体的に道徳性を養うための指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(3) 児童が自ら① を養う中で,自らを振り返って成長を② したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。その際,① を養うことの意義について,児童自らが考え,理解し,③ に学習に取り組むことができるようにすること。
4 多様な考え方を生かすための言語活動
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(4) 児童が① な感じ方や考え方に接する中で,考えを② ,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に話し合ったり書いたりするなどの③ を充実すること。
5 問題解決的な学習など多様な方法を取り入れた指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(5) 児童の発達の段階や① 等を考慮し,指導のねらいに即して,② な学習,道徳的行為に関する③ な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の④ などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な⑤ や体験活動も道徳科の授業に生かすようにすること。
6 情報モラルと現代的な課題に関する指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(6) 児童の① や特性等を考慮し,第2に示す内容との関連を踏まえつつ,② に関する指導を充実すること。また,児童の① や特性等を考慮し,例えば,社会の③ な発展などの現代的な課題の扱いにも留意し,身近な④ 的課題を自分との関係において考え,それらの解決に寄与しようとする意欲や態度を育てるよう努めること。なお,多様な見方や考え方のできる事柄について,特定の見方や考え方に⑤ 指導を行うことのないようにすること。
7 家庭や地域社会との連携による指導
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2)
(7) 道徳科の授業を① したり,授業の実施や② の開発や活用などに家庭や地域の人々,各分野の専門家等の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との③ を深め,相互の④ を図ること。
道徳科の教材に求められる内容の観点
1 教材の開発と活用の創意工夫
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の3)
(1) 児童の発達の段階や特性,地域の実情等を考慮し,多様な教材の活用に努めること。特に,生命の① ,自然,伝統と文化,先人の伝記,スポーツ,② への対応等の現代的な課題などを題材とし,児童が③ をもって多面的・多角的に考えたり,④ を覚えたりするような充実した教材の開発や活用を行うこと。
2 道徳科に生かす教材
(「第3章 特別の教科 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の3)
(2) 教材については,教育基本法や① その他の法令に従い,次の観点に照らし適切と判断されるものであること。
ア 児童の発達の段階に即し,② を達成するのにふさわしいものであること。
イ ③ にかなうものであって,悩みや葛藤等の心の揺れ,人間関係の理解等の課題も含め,児童が深く考えることができ,人間としてよりよく生きる喜びや④ を与えられるものであること。
ウ 多様な見方や考え方のできる事柄を取り扱う場合には,特定の見方や考え方に⑤ 取扱いがなされていないものであること。