もくじ
準備
具体的には…
・超音波診断装置の使い方や超音波の性質を勉強しておくこと。
・腹部の解剖をよく理解しておくこと。
・健常な各臓器のエコー(超音波)像をしっかり勉強しておくこと。
※このページでは、健常なエコー像のみ説明しています。疾患のエコー像ではさらに各疾患の特徴などを覚えていく必要があります。
腹部エコーで検査するおもな臓器は?
肝臓(かんぞう)
Liver(リィヴァー)
胆嚢(たんのう)
GB/gall bladder(ジービー/ゴール・ブラダー)
膵臓(すいぞう)
Pancreas( パァンクリィアス )
脾臓(ひぞう)
Spleen(スプリーン)
腎臓(じんぞう)
kidney(キドニー)
大動脈(だいどうみゃく):腹部大動脈
aorta(エィオールタァ/アオルタ):abdominal (アブドミナル)aorta
下大静脈(かだいじょうみゃく)
IVC:inferior vena cava(アイヴィシー)
必要に応じて検査する臓器
・消化管
胃(い)
小腸(しょうちょう)
結腸(けっちょう)など
・その他
膀胱(ぼうこう)
前立腺(ぜんりつせん)
卵巣(らんそう)
子宮(しきゅう)など
※このページでは、最低限見ておきたい臓器を取り上げています。
「必要に応じて検査する臓器」は省略します。
施設によって、検査すべき範囲や内容が異なる(「必要に応じて検査する臓器」もルーチンに組み込まれている等。)と思いますので各自でご確認ください。
肝臓の解剖
覚えよう!
【肝臓の区域分類】
S1(尾状葉)
S2(左葉外側上区域)
S3(左葉外側下区域)
S4(内側区域)
S5(右葉前下区域)
S6(右葉後下区域)
S7(右葉後上区域)
S8(右葉前上区域)
重要 クイノー分類
■ CT等(横断像)で見るクイノー分類
※「千臨技会誌 2012 No.2 通巻115」から引用させていただいてます。
【肝臓の管状構造】
重要 エコー検査で描出される脈管
プローブ(探触子)の当て方と映し出されるエコー画像
検査者が頭をかしげたり、迷っていたり、(上手く描出できず検査に)時間をかけ過ぎたりしていると患者さんは不安になります。
事前に、腹部解剖を理解し、次に挙げる17つのビューくらいは、ビシッと描出できるようにしておきましょう。
しっかり練習して、スムーズに検査ができるように努めましょう。
やり方
■まずエコーゼリーをつけて※1プローブ(探触子)を腹部に押し当ててみていきます。
※プローブ(探触子)を当てる位置は、後述します。
※1 使用するプローブ(探触子)
コンベックス型
※他の型のプローブ(探触子)を使用することもあります。
●上手く目的のビューが描出されない場合は?
プローブ(探触子)を当てる強さを変えてみます。(少し強く押します。)
プローブ(探触子)をスライドさせたり※2傾けたりしてみます。
※2 プローブ(探触子)の位置は固定し傾けてみます。
患者さんに※3息を吸ってもらうなどして臓器の位置を移動させてみます。
※3(呼気・吸気・息止め)
■検査(スキャン)しながら必要に応じて撮影していきます。[これから挙げていくビューは、撮影(記録/プリントアウト)断面の一例です。]
撮影(記録/プリントアウト)前に必ずボディマーカーでプローブを当てた位置を示しましょう。
(例:右肋間走査の場合)
※撮影(記録/プリントアウト)すべきビューは各施設にてご確認ください。
上腹部縦走査(心窩部縦走査/しんかぶたてそうさ)
☆プローブの位置
1.腹部の血管
・腹部大動脈(AO)
・下大静脈(IVC)
【腹部大動脈(AO)】
【下大静脈(IVC)】
2.肝左葉
・S2(左葉外側上区域)
・S3(左葉外側下区域)
上腹部横走査(心窩部横走査)
☆プローブの位置
3.S1~S4・門脈左枝
・S1(尾状葉)
・S2(左葉外側上区域)
・S3(左葉外側下区域)
・S4(内側区域)
4.肝静脈
・右肝静脈(RHV)
・中肝静脈(MHV)
・左肝静脈(LHV)
右肋弓下走査
☆プローブの位置
5.肝右葉
・S5(右葉前下区域)
・S6(右葉後下区域)
・S7(右葉後上区域)
6.肝右葉
・S8(右葉前上区域)
7.肝静脈
・右肝静脈(RHV)
・中肝静脈(MHV)
8.胆嚢(1方向目)
※胆嚢は3方向以上から観察する。
右肋間走査
☆プローブの位置
9.胆嚢(2方向目)
10.肝右葉
・S5(右葉前下区域)
・S8(右葉前上区域)
11.肝静脈
・右肝静脈(RHV)
右上腹部縦走査 〔右季肋部縦走査(左下側臥位)〕
☆プローブの位置
仰臥位と左下側臥位で見る。
12.門脈(PV)・肝外胆管(EHBD)/総胆管(CBD)
13.胆嚢(3方向目)
肝外胆管の解剖
右側腹部縦走査
☆プローブの位置
14.右腎
左側腹部斜(縦)走査
☆プローブの位置
15.左腎
左肋間走査
☆プローブの位置
16.脾臓
上腹部横走査(心窩部横走査)
☆プローブの位置
17.膵臓
【膵頭部~膵体部】
【膵体部~膵尾部】
●プローブの右端を少し上方(頭側)へスライドすると体~尾部がよく見える場合がある。
話はそれからだ。
※エコー画像がイマイチのものがあります。
よい写真が撮れたら差し替えます。
参考文献:『実践エコー診断』日本医師会雑誌特別号 第126巻 第8号 日本医師会
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参考ページ スキルアップのためのセミナーが各地で開催されています。