第十章 災害補償
第八十九条
船員が①負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、その負傷又は疾病がなおるまで、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を②しなければならない。
①職務上②負担
○２ 船員が雇入契約存続中職務外で負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、①の範囲内において、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は②な③のあつたときは、この限りでない。
①三箇月②重大③過失
第九十条
前条の療養は、次の各号のものとする。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の①
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の①
六 治療に必要な自宅以外の場所への収容（食料の支給を含む。）
七 ②
①看護②移送
第九十一条
船員が職務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、①の範囲内においてその負傷又は疾病がなおるまで毎月一回、国土交通省令の定める報酬（以下標準報酬という。）の月額に相当する額の②手当を支払い、その①が経過してもその負傷又は疾病がなおらないときは、そのなおるまで毎月一回、標準報酬の月額の百分の③に相当する額の②手当を支払わなければならない。
①四箇月②傷病③六十
○２ 船舶所有者は、前項の負傷又は疾病がなおつた後遅滞なく、標準報酬の月額の百分の六十に相当する額の①手当を支払わなければならない。
○３ 前二項の規定は、負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、これを適用しない。
①予後
第九十二条
船員の職務上の負傷又は疾病がなおつた場合において、なおその船員の身体に障害が存するときは、船舶所有者は、なおつた後遅滞なく、標準報酬の月額に障害の程度に応じ別表に定める月数を乗じて得た額の①手当を支払わなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
①障害
第九十二条の二 船
舶所有者は、船員が職務上行方不明となつたときは、①の範囲内において、行方不明期間中毎月一回、国土交通省令の定める被扶養者に標準報酬の月額に相当する額の②手当を支払わなければならない。但し、行方不明の期間が③に満たない場合は、この限りでない。
①三箇月②行方不明③一箇月
第九十三条
船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族に①の月額の②分に相当する額の③手当を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
①標準報酬②三十六箇月③遺族
第九十四条
船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族で葬祭を行う者に標準報酬の月額の①分に相当する額の②を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
①二箇月②葬祭料
第九十五条
第八十九条から前条までの規定により療養又は費用、手当若しくは葬祭料の支払（以下災害補償と総称する。）を受くべき者が、その災害補償を受くべき事由と同一の事由により①法 （昭和二十二年法律第五十号）若しくは②法による保険給付又は国土交通省令で指定する法令に基いて災害補償に相当する給付を受くべきときは、船舶所有者は、災害補償の責を免れる。
①労働者災害補償保険②船員保険
第九十六条
職務上の負傷、疾病、行方不明又は死亡の認定、療養の方法、災害補償の金額の決定その他災害補償の実施に関して異議のある者は、国土交通大臣に対して①又は事件の仲裁を申し立てることができる。
○２ 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、職権で①又は事件の仲裁をすることができる。
○３ 国土交通大臣は、①又は事件の仲裁に際し船長その他の関係人の意見を聴かなければならない。
○４ 国土交通大臣は、①又は事件の仲裁のため必要があると認めるときは、医師に診断又は検案をさせることができる。
○５ 第一項の規定による審査又は事件の仲裁の申立て及び第二項の規定による審査又は事件の仲裁の開始は、②の③に関しては、これを裁判上の請求とみなす。
①審査②時効③中断
